■円は極端な「売られ過ぎ」

のピークをつけた6月下旬に円は極端な「売られ過ぎ」になっていた。シカゴIMM統計によると、昨年6月26日時点で円は18万枚のショートだった。  これに対して最近は決して円が「売られ過ぎ」ではない。それどころか、この間の円安ピークとなった108円半ばの円安を記録した6月中旬でも、シカゴIMM統計によると5000枚程度と小幅ながら日経225円ロングだった。  昨年の「真夏の悪夢」円暴騰相場の前提には円が「売られ過ぎ」になっていたということがあった。その点が今回はまったく違う。その意味でも、2年連続の悪夢にはならないのではないかと思っている。  また、米大統領選挙年のドル円は、選挙が近付くまで小動きの傾向が強いが、とくに選挙戦先物取引が本格化する夏場にはその傾向がより顕著だ。過去3回の米大統領選挙年の7―9月期ドル円値幅は4.93―5.32円、平均5.1円。ちなみに、今年の月間平均値幅は5.63円。つまり、米大統領選挙年の夏相場は、3カ月でも今年1カ月の値幅平均を下回っていたのである。  FX投資家にとっては、ある意味で忘れられない記憶となったであろう「狂った円高」が起こった昨年FX 初心者の夏相場。この7―9月のドル円値幅は12.07円。昨年の悪夢の二の舞が今年先物取引も起こるかは気になるところだが、これまで見てきた大統領選挙年の経験則からすると、今回夏の悪夢は回避される可能性が高いのではないか。  かりに、今年もこれまでの大統領選挙年パターン通りに、7―9月、3カ月の値幅が5円程度にとどまるなら、7月の取引が106円でスタートしたことから、目一杯ドル安に振れても100円は割れないといった計算になる。少なくとも、9月までは100円は割れず、2年連続の「悪夢の夏」は回避される見通しではないか。=蒼い稲妻= 囁かれる米為替介入 大義名分乏しいが…  為替市場の一部で米国による市場介入への警戒感が高まっている。  直接的な要因は、今月16日にバーナンキFRB議長が発した「めったに実施するべきでないが、無秩序な市場が介入を正当化する可能性もある」などとしたコメントだったが、それ以前から浮上しては消え、消えては浮上するという展開が続いている。  しかしながら、実際問題として米国が実弾介入を実施する可能性はどの程度あるのだろうか。取材に基づいた情報に、過去の事例を参考として加え、介入実施に必要な条件を考えてみると実は大きく3つある。  順を追ってひとつずつ説明すると、まずは一般投資家の方はもちろん、プロでもたまに勘違いしている方がいるのだが、FRBに限らず日銀やECBなどといった中央銀行は具体的なレートよりも価格変動にこそ注意をはらっていることだ。実際それは「過度の変動は好ましくない」―などといったようなコメントが政府要人から多く聞かれることに、一端が示されているとも言えるだろう。  また、FRBが介入を実施する際の対象通貨として考えているのは、基本として対ユーロであるということ。これはユーロ/ドルが世界の為替市場において最大の取引量を誇る通貨ペアであるだけでなく、貿易においての結び付きが他国より強いということも影響している。  そして最後に日銀などとは違い、欧米の中央銀行によく見られるケースとして、「確実に勝てる」と思ったときしか介入を実施しない―という傾向もある。これについても別の言い方にすると、マーケットのポジションの偏りが顕著になってきたとき、ドル買い介入実施にはドルショートが顕著に蓄積されたタイミングを狙って実施されることが過去はほとんどだった。  前段までで指摘した3つの要因を参考にすると、現在の相場環境はいかがだろうか。過去との比較だけで考えると、市場介入を実施する「大義名分」は希薄であるように思う。  もっとも、その一方でサブプライム問題に端を発した米国の信用不安などは、過去のどの局面と比較しても深刻だとも言われている。過去実施してきた経験則などを曲げてまで、市場介入を実施する「サプライズ」は果たしてあるのだろうか?(鹿の角) FRB議長は自暴自棄 結論はドル安放置か  バーナンキFRB議長は15日の注目されていた議会証言で、米政府系住宅金融機関(GSE)について「規制基準を満たしているとはいえ、市場の信頼が失われたことで、株価は下落しスプレッドは拡大しており、われわれは信頼を取り戻す必要がある。そうすることにより、現在のように支払能力を有するためだけでなく、さらに一歩進んで、積極的にモーゲージ市場を強化するために必要な財務体質を持つことができる。これまでの議論や自分自身の考えを踏まえると、現時点での最善の方策は、GSEの現在の形を維持しつつ、監督を一段と強化することだと考えられる。これは上下両院で審議中の法案に盛り込まれている。市場の信頼回復に向けて不可欠なあらゆる措置を取る必要がある」とした一方で、その資本については「GSEの資本は適切だ。破たんの危機にはまったくない」という。これは明らかに、「なにも語っていない」「新しいことがなにもない」(市場参加者)ということだ。つまり劇的な公的資金注入もなく、資本増強もなく、期待以上の政策は打たれない、と言うことである。  また景気については「明らかに困難な時期だ。成長は減速している。平均的な家計にとって状況は困難だ」。さらに「インフレはある種の税金であり、現在のインフレは高過ぎるとの見方には大いに賛同する。物価安定と一致する容認可能な水準にインフレを引き下げるための政策の実行が今後のFRBの最優先事項だ」「FRBに抑制できるのは、消費者向け財・サービス(価格)の平均的、全般的な上昇だ。原油その他の商品価格の大幅な上昇は、ある程度、少なくともFRBが制御できない現実的な要因による。FRBには原油の生産量を増やすことはできない。この特定の状況に最も大きく影響しているのは世界的な需給状況だ」と。金融政策についてはややタカ派的スタンスが後退した印象だ。また為替の介入については、引き続き消極的なスタンスを維持した。  まとめると、@GSE問題は認識しているが、劇的な政策は打たれず。A米景気は悪化しているが、インフレとのバランスが大切で当面緩和的スタンス。B介入には消極的というセットアップである。これは事実上のドル安放置であろう。バーナンキ議長は自暴自棄に陥ったのか。(石上)   リスク取らなさ過ぎ傾向へ 為替投機取引が萎縮  昨年来、株価が急落すると円高になるといった状況が続いてきた。これをリスク回避と説明することが一般的だった。  ところが最近は米株がことごとく年初来安値更新となっているにもかかわらずそれほど円高になっていない。つまりリスク回避で円高といった反応が薄れていることを示している。  なぜこのように為替と株の連動関係が変化しているかはわかりやすい。昨年と最近の大きな違いは為替のポジションだ。主要5通貨のポジション合計は、昨年6月までは何度か40万枚を越えていた。これは確認できる20004年以降で断トツだった。つまり、昨年6月まで、為替では異常なポジションの拡大、つまり「リスクとり過ぎ」になっていた。  ところが、最近はこのポジション合計が一時3万枚台まで縮小した。昨年ピークの10分の1以下に縮小し、2004年以降ではほぼ最低規模に縮小したのである。つまり「リスクとり過ぎ」は是正され、むしろ「リスクとらなさ過ぎ」気味になっていた。  昨年までの「リスクとり過ぎ」の主役の一つは円キャリー取引と見られた。したがってリスク回避は「行き過ぎたリスクテーク」の修正で円高となった。しかし最近は「リスクとらなさ過ぎ」のため、リスク回避でも為替の影響は限られているということだろう。  そしてそれはまた、円キャリー取引が昨年に比べるとかなり縮小している可能性も示している。  為替市場で、円キャリー取引のようなリスクをとる取引が縮小しているということは、投機的取引の縮小といった意味にもなる。ということは、為替相場への影響度が、実需取引のそれが相対的に大きくなっている可能性があるわけだ。  為替ポジションが、最近と同じほどに縮小したのは2004年4月、2005年1月などだが、当時は円高が進んでいた。投機取引の縮小で円高というのはわかりやすい。  今回の場合はその意味でこれまでとは異なるものの、投機取引の縮小傾向が長期化する中で円高が広がっていったといった意味では2002年に近いかもしれない。基本的には貿易黒字を背景に円高になりやすい構図があるということだろう。(蒼い稲妻) サマーラリーに期待 米株はすでに大底圏?  株式市場でよく使われる言葉だが、「サマーラリー」という言葉がある。これは言ってみれば夏場に起こりやすい「(米国の)株高」のことで、経験則的には一種の季節性といっても良い。  一方で、周知のようにNYダウは弱気相場に入っている可能性が指摘されている。  しかし、過去のパターンを参考にすると足元の株価はすでに大底圏で、今後は右肩上がりの上昇が期待出来る―とこじつけられなくもない。  実はNYダウよりもナスダックで、その傾向が強いのだが、筆者がNYダウの「サマーラリー」について調べてみたところ、90年以降で明確に観測されなかったのは01年とサブプライム問題が噴出した咋年だけだった。つまり、残りの事例についてはなんらかの痕跡が見てとれる。また、平均では約1カ月から1カ月半のあいだに20%近い上昇を辿っていることが判った。  しかしながら、「何故夏に米株高進行するのか」―という理由は、専門家のあいだでも実はハッキリしていない。著名な外資系のエコノミストも「夏場の株高根拠は薄弱。なぜその時期に需給が好転するのか正直判らない」としているが、ひとつの説としては四半期決算発表の時期でもある5〜6月は毎年需給悪から調整傾向の強い展開となりやすいだけに、「夏はその反動が入りやすい」(同)との話もあるようだ。  そうしたなか、今年のNYダウはと言うと、ここまで右肩下がりといって良い展開。したがって、今年は前述したような確度の高いサマーラリーが実施されない特異年に当たるのでは、といった疑念に駆られる面もあるだろう。  また、ここにきてファニーメイなど米政府系住宅金融会社に対する破綻観測など信用リスク問題が噴出していることが株価の足かせ要因となる。  ただし、ここまでの「株価右肩下がり」を逆にいえば、もうかなり下げてきており、楽観的に考えると「底値は近い」と言えるのかも知れない。確かにNYダウは昨秋高値から20%以上と大きく下落しているが、過去のパターンをみると高値から25%ぐらいで底入れするということが実は少なくないからだ。もちろん、ブ